京都・北近畿弾丸旅行を終えて帰宅した私。
その後疲れによって余裕がなくなり、
普段目をそらし続けてきた<自分がつまらない人間であること>をふと認識してしまい
グッタリしていた訳でございますが。
そんな事はどうでもよろしいのでございます。
舞台は再び北近畿。
私が布団で自分との孤独の闘いを繰り広げている頃、
"彼"もまた孤独の闘いを繰り広げていました。
他でもない、北村氏(@KTR801)である。
その発端は加悦SL広場にさかのぼる。
私「君に横浜土産があるのだよ」
そう言って私が鞄から取り出したのは黄土色の紙箱(税込110円)。
私「これはパンドラの箱だ開けると煙が出てお爺ちゃんになってしまうぞ」
私「だからこれは家に帰ってから開けなさ
北村氏は問答無用で箱の蓋をのけた。
北村氏「まァたガラクタを押しつけてきやがったコイツはぁ!」
実は以前訪問した際も同じ箱にプラレールを詰めて渡しました。
恐らく箱を見た時点で全てを察したのでしょう。
しかし家で開けてくれたならどんなに善い事だったでしょう、私は罵られずに済んだのですが。
さて、内容物の方は…
・C57
┗動輪二組
┗ボディ
┗キャブ屋根
┗煙突
┗シャーシ二組(内一つ給水温め器撤去、片側切り取りデフ化中)
┗動輪押さえ(内一つ三軸化)
・D51
┗テンダー(内一つシャーシ無し)
┗カバー
・C11(ダイソープチ電車)(内一つボイラーのみ)
・209系(但しE233-0使用)
┗先頭・後尾車(いずれもシャーシ、顔部品、乗務員扉無し)
・E201系
┗乗務員扉4つ
・トーマス(顔欠品)
…と書くとけっこう多く見える。
しかし端々にちらつく「欠品」「無し」「のみ」の文字。
そう、まともな状態の車輌は殆どありません。
北村氏「瓦礫の山」と称したガラクタ同然の中身、
こうなってしまったのは一筋縄ではいかない理由があります。
一つ目は資材不足。
まず彼が所望していたはC58。しかしこれは知っての通り貴重な車輌。
このC58、SL銀河の車輌セットと京都博物館(梅小路機関区)の限定品として発売されたのみ。
無論、両方とも販売期間は短い為に中古市場に出回っている数は少ない為、梅小路使用を一機確保するのがやっとでした。
しかもそのC58も数年前に2000円で
変形機を作るという人間に売り払ってしまったのです。
己の不甲斐なさに泣きつつも選定したのはC57の下回りにC11。
これは形状が似ているD51も比較して考えましたが却下。
・部品構成がやや特殊で形づくりに時間をとられると想定したため
・ボイラー径が太い事
・動輪が一つ多い(プラレールはきっちりモールドと車軸で軸数も再現してあるのです)
対してC57+C11の構成では
・純正のC57ではボイラーとシャーシが別れているものの接着しても問題は発生しない(つまりボイラーの交換は容易)
・ボイラー径がC57とD51の中間で理想的
・動輪数が同じ(但し前輪が一つ多い)
C57であればギリギリストックから捻出可能であった事もあり、部品箱からC57を、鶴見のダイソーからC11を回収。
ただ、ダイソープチ電車だけにC11のボイラーは短く、
ボイラー二本を接着しなければ長さは足りません。
その他にも課題は山積み、ハッキリ申し上げて作り上げられる代物ではございません。
そこまで考えて何故彼に部品を渡したのか。
これは二つ目の理由でほぼカタがつきます。
そう、散々苦労してその不満をぶつけに来る姿が見たかっただけです。
それだけです。
率先して苦しむ姿が見たいとは酷いヤツがいたものです。
そして予想どおりに車輌作りは難航し、愚痴をこぼす姿が見られました。
満足しました。
おしまいです。
[実はもう少しだけあります]
国鉄蒸気、特にC58に苦しめされた北村氏。
しかし奮闘の末に見事に作り上げ、
残るは東洋レーン101型蒸気機関車だけとなりました。
改造しなれたトーマス号である、
あとは楽なものだ、二人ともそう思っていました。
ところがどっこい、このトーマス号こそが真打ちだったのです。
このトーマス号、とかく割れるのです。
問答無用で割れるのです。
理不尽に割れるのです。
鋸を入れればそこから裂け、
ニッパーを入れれば異常にえぐれ
その凄惨たるや、通話先からも手に取るようにわかりました。
それでも見事に作り上げるあたり、やはり彼はただ者ではない。
とまあこの蒸気群の完成をもってして
彼の一大計画である加悦SL広場再現が実現。
この場でまた改めて書き留めておきましょう。
お疲れ様でした。