プラレールナローの車輌シャーシの研究・その一

プラレールナロー考察その二です。

以前プラレールナローの軌間について - 千ノ気まぐれ誌にてプラレールナローを定義しました。
今日は車輌についての話です。

プラレールの762mm軌道ですとダイソープチ電車(以下ダイプチ)が適応されますが、
これが実に仕方のないヤツなのです。

周知の通りダイプチは
前後の車輌は基本同一、中間動力による三両編成。

金型をニつに絞る事により
桁違いの廉価を実現しているのです。

また、かつて車内へ人形を乗せる構造であった事から
ネジ固定でなく爪による固定が取られております。

いづれも両妻面に爪(プラレールの突き出したとは違い、
切り込みによって柔軟性を持たせた物)を
配する事で車体とシャーシを固定。
これによってネジ棒とネジが不要となり、その分の材料費が節約できる訳です。

実に合理的な製品と言えるでせう。

しかしこれらの構造はプラレールナローの素体にするにおいては
我々を酷く苦しめる要因となるのです。

まず妻面固定方式は切り込みが深々と入っている訳ですから
妻面のディテールを大きくダウンさせます。
そして三連のみ想定されているために長編成化が不能

故に車体固定をネジ式に、連結方式の一新が必要となるのです。

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そこで加工と整備の簡便性、素材の入手性を
目標とし、シャーシを試作。

プラレールの連結器受けを丸ごと移植。
この流用元にはブルートレーンやH級電機の付随車用の
並型シャーシを選択しました。

♀連結器押さえがシャーシのみで完結しており、且つ幅を取らぬ事、
プラレール改造に於いてシャーシの需要が少ないと踏んだ事、
中古屋にて金太郎などで入手し易いだろうという点からコレが最適であると思われます。

そしてダイプチのシャーシを
両側のエンドに運転台が設置されるように切接ぎ。
その後車内アコモを再現したパーツをすべて撤去。

そして前述通り連結器受けを移植しシャーシが完成。

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小振りながら華奢で頼もしいシャーシとなりました。
……とはいえども、結局のところ加工は煩雑なものとなってしまい
量産には向かないもの事は明白。

なによりシャーシそのものが長く、
軽便にはやや大きすぎる本末転倒な物。

よってこのシャーシは他用途に回し、
新たな試作に取り掛かる事にします。

それでは次のシャーシができ次第、また記事を執筆いたします故、暫くお待ちくださいませ。