丸屋根を新造する

ある日筆者は考えた。
「丸屋根をなんとか作り出せないものか」と。


旧型客車の製造が多い我が工場においては素材となる客車専用の大箱が用意されている。内容はもっぱら解体された旧型客車の部品、特に側面や屋根が大きな割合を占めている。

さて問題なのがこの屋根である。

改造で使うのはもっぱら側面で、使われない屋根ばかりがたまっていくのである。ことにプラレール博入場記念品の「プラレール55th客車」の屋根の余剰っぷりは深刻。
特有の構造・塗装ゆえに塗装・転用・加工、いずれも難しいのだ。

考えあぐねていたある時、ふと気がついた。

「丸屋根への改造なら向いているのでは……?」

筆者の手持ちの資材は今、オハフ33の不足が目立つ。

かつては10両以上は在籍したオハフ33。
しかし二重屋根車への改造や破損、その他試作等でその数が減っていき、今では各色で2両づつという状況。

これでは満足な運用には心もとない。

屋根の氾濫、車両の不足。ここでつながる。
余った屋根を活用して丸屋根型客車を作ればよいと。

こうして一両が試作車となった。
この車輌はオロ61へ屋根を提供し、遊車になっていた車両である。
丁度こちらも使いみちに困っていたところなので、共に処理してしまおうという魂胆である。

まずは屋根を改造していく。
端を削り落してパテを盛り、側面は切り込みを入れて折り曲げる。

もちろん屋根に合わせてデッキ部分も調整。

ドアは加工の手間を考え一度撤去。
どちらにせよ交換する物なので都合がいいのだ。
その後1㍉角棒と0.5㍉プラ板で復元した。

さてこうして作ってみると、思いのほか加工点は多いものの比較的簡単に作れそうと感じた。

出来れば来週末までに完成させたい。