オロネ10
1959年 (1 - 91, 501 - 506)20系ナロネ21形をもとに開発。
プルマン寝台で、新製段階から20系同様に床下に冷房装置を搭載するが、駆動電源を供給するディーゼル発電機セットを自車に搭載する必要から自重が増加し、1ランクアップの「オ」級となった。
(中略)老朽化のため1983年6月に急行「まりも」(札幌 - 釧路間)の14系寝台車に置き換えられて、廃車された。(Wikipediaより引用)
当時の客車夜行列車には欠かせない名車、オロネ10。
しかしながら現在プラレールにおいては、その知名度の高さに反しあまりお目にかからない車輌である。
今日はオロネ10を作るべく、その種車について考えた。
オロネ10でまず使うであろう種車といえば、それはやはりナハネフ22であろう。
なにせオロネ10の車体は20系をベースにしたもの、この車輌を使うのも当然と言えよう。
しかしナハネフ22は知っての通り希少度の高く、大抵は手に入れても20系の中間車の改造へ回され、オロネ10へ回す分などなくなる。
何より20系を作る人の場合、当然と言うべきか旧型客車には興味がない場合が多い。
そのためオロネ10は今日も一向に作例が増えないのである。
そこで20系を一旦忘れて、オロネ10そのものについて考察してみる。
まずオロネ10の特徴といえば何よりも車輌限界いっぱいの深い屋根である。
その深さたるもの、個性豊かな客車の中でも一際目立つ深さである。
つまり、まず必要なのは「車体限界いっぱいの深い屋根」。
次に目につくのは側面。20系ゆずりの四角い窓にHゴムサッシ、ドア部分のみは旧型客車のそれと同一というのがオロネ10のスタイルである。
他の旧型客車はもちろん、同族たる10系や20系とも違う姿は編成のアクセントとなる。
これについて様々な車両を検討してみたものの、残念ながら妥当な種車は思い当たらなかった。
つまり、側面については全面的に作りかえる事となるとなるため、種車に求められるのは屋根のみ。
そのため車体限界いっぱいの屋根を持つ二階建て車や寝台車を重点的に探ってみた。
そして目をつけたのが24系北斗星。
見てのとおり同じ寝台車だけあって車体限界いっぱいの深い屋根である。
20系と比べてみても差はほとんど見られない。
また注目すべきは窓の形状、ほどよい大きさで四角い窓なのだ。
これなら窓を大きく作り直す事もなく、位置の調整や若干の加工でオロネ10独自の側面が再現できるだろう。
加工元とするには中々良い車輌である。
実際にこれを使ってオロネ10を作った作例も存在する。
http://irresponsibleroom.blog50.fc2.com/blog-entry-156.html
ただし難点として上がるのが、またしても入手性である。
この北斗星も20系ほどではないが希少度の高い車輌。
最も加工に向いているであろうロビーカーは、何度か再生産されている事もあって比較的入手しやすい車輌ではあるが、それでも加工には若干の決心がいる。
また、プラキッズ仕様であるが、そのためにつきまとうデメリットも見逃せない。
通常より重い重量は長編成においては大きな枷となり、また室内の処理の必要も出てくる。
そのためここでは24系の採用は見送る事とした。(なお、現在トワイライトエクスプレスなどに使用されている旧金型は、屋根の深さが足りないため元より候補には入れていない。)
次に目を付けたのがカシオペアである。
種車とするには絶対である屋根の深さは十分にある。
入手性は非常に高い上、何より先の2系式に比べて発展性が小さいのが良い。なにせE26系自体が形態差や複編成のない車両。フル編成を一本作ってしまえば余った分を湯水の如く乱用できるのだ。
側面については断面の違いもあり、全面的に撤去する事となったが、そのさい阻害となるシャーシ押さえが通常の側面裏ではなく、妻面裏に付いているのも加工が楽で良い。
側面のフルスクラッチに加え、二階建て車特有の屋根ビードがある事、両車とも中間車ではない(上に流線形である)ため中間化改造を一度挟む必要があるなど、加工はやや面倒。
しかし、これらを踏まえても他の種車より使い勝手が良いと判断した。
加工案は以下の通りになった。
1,屋根のモールドを撤去。
2,中間車化の要領で両車体を輪切り、併せて側面を撤去。
3,中間車化、新たに用意した側面を接着。
4,側面モールド造成。
5,各所整備、塗装。
かくして、カシオペアオロネ計画が始まった。